

◆きっかけ
最近、「相続した土地をどうしていいかわからない」というご相談が増えています。
田舎の土地、山林、使っていない畑…。
売るにも売れず、草刈りや固定資産税の負担だけが続く。
そんな中で注目されているのが「相続土地国庫帰属制度」です。
「国に引き取ってもらえる」と聞くと、ほっとする方も多いでしょう。
でも――ここに“誤解”が生まれやすいポイントがあります。
◆「国に出せば終わり」ではない制度
実はこの制度、「誰でも」「どんな土地でも」引き取ってもらえるわけではありません。
国が審査を行い、
・境界がはっきりしているか
・管理や除去に過大な費用がかからないか
など、いくつもの条件を確認します。
つまり、申請には法務・登記・測量の3分野を横断した知識と判断力が必要になります。
そのため、行政書士や土地家屋調査士のいずれか一方の立場だけで完結させようとすると難しいと言われています。
◆専門家や行政担当者から相談を受けたとき
私は、行政書士・土地家屋調査士といった専門家や、
市町村の空き家対策・財産管理を担当する行政職員から、
「相続土地国庫帰属制度をどう現場で扱えばよいか」
というご相談を受けることがあります。
その中でいつもお伝えしているのが、
「相談の受け方ひとつで結果が変わる」ということです。
制度の知識をただ説明するのではなく、
相談者の不安をどう受け止め、どの順番で伝えるか。
そして、どうすれば「この人に任せたい」と思ってもらえるか。
そこがこの制度の本質であり、専門家としての力量が問われる部分です。
◆制度を知ることで、「あきらめ」から「安心」へ
もしあなたが今、
・相続して困っている土地がある
・管理や税金の負担が重い
・子どもに迷惑をかけたくない
そんな気持ちを抱えているなら、
一度、「国庫帰属制度」という選択肢を検討してみてください。
ただし、焦らずに。
私たち専門家は、**「残す」「譲る」「手放す」**の3つの選択肢の中から、
あなたにとって最も納得のいく方法を一緒に探します。
◆まとめ
「制度を使うこと」が目的ではなく、
「あなたが安心して未来に進めること」こそがゴールです。
現場で相談を受けるたびに、
制度の奥にある“人の想い”に向き合うことの大切さを感じています。
これからも、正しい制度の理解と、安心につながる支援を続けていきます。